レイジングループ(小説)の感想・解釈メモ
【ネタバレなし】レイジングループ原作プレイ済でも楽しめる?
大まかなシナリオは同じだが、終盤の展開に若干差異がある。
原作でいう「神話ルート」の解説は小説の方がしっかりしている気がする。
特に神・かがみあたりの解説は小説の方が圧倒的に優れている。
原作の記憶が薄れたタイミングで読むのをおすすめしたい。
原作プレイ済でも十分楽しめた。
僕は久しぶりにレイジングループワールドにどっぷり浸かれて大満足。
これより下からはがっつりネタバレするので、
ネタバレ苦手の人は回避してください。
【ネタバレあり】小説を読みながらメモった考察・解釈
黄泉忌みの宴の真相調査時に日口を脅すシーンがある
房石陽明が死に戻りを利用しながら関係者から情報収集する際に日口を尋問する。
・日口家の休水に対するスタンス「休水行きというカードで村民を脅せると仕事が楽になる。なので休水には冷たくする」
・黄泉忌みの宴のことをどこまで知っているか?→三車の分担だから口を出してはいけないし、知ってらいけない。
・積極的に房石陽明を休水送りにした理由。→回末家が廃れたため、祭りに参加する客人の手配も日口家が担当している。
原作では日口さんを尋問するシーンはたしかなかったはず。
「神」、「かがみ」あたりの解説が濃くなっている
かがみとは?
舞い手(黒の神ヶ身「くろのかがみ」)に神が取り憑き、読み手(白の蛇ヶ身「しろのかがみ」)がそれを見て神の仕業と認識することで神は現れる。
春が「かみさま」を宿し、それを見た休水住人が神を認識することで「かみさま」は力を振るえる。
暗黒ルートで春が死んだのに「かみさま」が活動できた理由。
暗黒ルートのラストでめー子や房石陽明に憑依して「かみさま」が喋るシーンがある。
休水にいる人間は春の神降ろし状態を目撃しているので「かみさま」の白の蛇ヶ身になりうる。
黒の神ヶ身である春の中で力をそれなりに取り戻した「かみさま」は白の蛇ヶ身がいればメッセージを伝えることくらいはは可能な状態だった?
狼じじいの最期が原作と異なる
原作ではめー子の作った草結びに足をとられて死んだ。
小説では神を宿らせている状態の房石陽明に斬りかかった所を避けられ、かみさまの権能で爆散して死亡。
多恵婆さんの初恋と三車先代との関係が描写される
多恵婆さんが若い頃懸想していた相手は三車の先代当主。
三車の先代当主も多恵婆さんのことを想っていたのか40年間も黄泉忌みの宴は開催されていなかった。
ここらへんの話はたぶん原作ではなかったように思う。
原作やっている時は全然多恵婆さんに感情移入しなかったが、
小説読んでたらいつの間にか好きになっていた。
好きだった相手が戦争に行って、おそらく死んでしまったと感じた多恵婆さん。
「じゃからあたしは、いっそう申奈さんに祈るようになったのよ。あの人がどこかで無事に暮らしとられますように。さもなきゃあ、せめて黄泉で安らかに、をちなかれと。あたしらは精々、けがれを生まぬよう、清らかにしますからと、毎日毎日、申奈様とおきばに向かってねえ。それで勤めて、勤めて、気付いたら嫁入りも忘れて、何十年経っとった。ばかよねえ」
自嘲的な内容なのに屈託を感じさせないと房石陽明も評していた。
個人的にめっちゃ好きなセリフ。
「あまり頭良くないけど、信心深く生きることはできる」と善良に生きる婆様ってめっちゃ素敵。
小説読んですごい好きになったキャラ。
暴露モードの情報が少ない
ゲームでは搭載されていた暴露モードで判明する情報があまり記載されていない。
なので李花子の心情などは原作の方が知ることができる。
小説なのでもちろん声も聞けない。
エクストラシナリオの駄目女になりさがった李花子の醜態も見れない。
李花子の魅力を感じるには原作の方が適していると思う。
まとめ
小説で原作プレイ時に疑問が噴出した「神話ルート」を濃いめに描写してくれたのでだいぶすっきりした。
レイジングループの理解を深めるのにとても助かったので、
レイジングループファンなら是非一読して欲しい。
原作の感想記事や完全読本を読むべきか語る記事も書いています。
よかったらついでに読んでみてください。
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