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【ネタバレあり】428 〜封鎖された渋谷で〜 感想

2022年8月7日レビュー428,ゲーム

ネタバレ満載で感想を書いていくので、未プレイの人はプレイしてから読んで下さい。


ゲーム紹介トレーラー動画を置いておくので、
これを見て興味を持ったら是非遊んでほしい。
面白いゲームであることは保証します。

プレイしたきっかけ

渋谷で働いているエンジニアとしてはプレイしなきゃいけないゲームだと前々から思っていた。
2008年発売のゲームなので、
センター街の店のラインナップが現在とは全然違って時の流れを感じた。

主題歌

作中で何度も流れるのでいつのまにか好きになっていた主題歌。
「手を取り合えばeverything be all right」という歌詞がある。
訳せば「手を取り合えば全てうまくいくよ」的な意味になる。
色んな人が関わって大きな事件を解決する428というゲームそのものを表している歌詞。
実に素敵だと思った。

ルートごとの感想

通常END

【序盤は苦痛】
序盤は正直進めるのが面倒なくらい退屈だった。
序盤ツマラナイのはノベルゲーあるあるだけど、
428は特にしんどかった。

興味が湧いてきた!と思ったらKEEPOUTされ、
他のキャラのシナリオを読まないと進めないという仕様に苦しめられる。
BADENDが発生すれば、他のキャラの選択肢を変えなければならず、なかなか物語に没入できなかった。

シナリオが16時台に突入するまでは、
「この作品本当に評価高いの?大丈夫?」
と心配していた。

【16時以降の素晴らしさ】
物語が一気に進み出す16時台以降は超面白い。
各キャラ同士の関連性が明示され、
散りばめられた謎がどんどん解明されていく。
先がやりたくて仕方ない状態になった。

【終わり方】
色んな伏線を回収し最後は綺麗な大団円。
美しいシナリオ構成に感激した。
キャラとキャラの関わりを細かく紐づけて綺麗にまとめるのはさぞ大変だったことだろう。

真END

【通常ENDからの変更点:アルファルド関係の描写】
通常ENDの唯一のイマイチな点はアルファルドが最後解放されてしまうこと。
せっかく加納やジャックが命を賭けて捕まえたのが無意味に感じられて残念だった。
しかし、真ENDではカナンがその場に現れてアルファルドに銃口を向ける。
銃撃の結末までは明かされていないが、カナンがシャムの仇を取れたことを祈りたい。

【通常ENDからの変更点:加納の描写】
事件が終わった後、加納が婚約者の留美に電話する。
その時に留美の父が電話に出て、結婚を許される。
加納君が喜びで「よっしゃああああ!」と飛び上がる。
事件解決のために頑張った加納君が報われて爽やかな気分になれた。

カナン編

カナン編をやることで、カナンとアルファルドの因縁が理解できる。

【カナン編の不満点:シナリオ解放のタイミング】
真ENDで大団円を見た後に、
中東の紛争の細かい話が始まるので、正直感情がついていかない感はあった。
「今そういう気分じゃないんだよなあ……」
と読みながら思っていた。
カナン編の物語は面白いのだが、真END後に見たい内容かと言われると微妙。
正直、通常END後にカナン編を入れてほしかった。

【カナン編の不満点:唐突なアニメ】
ずっと実写でやっていたのにいきなりアニメに変わる。
銃撃戦の描写とか中東の描写は予算的に実写でやれるわけないのは理解できる。
でも、いきなりアニメになると違和感がすごかった。
カナン編は単品として見ると良い作品なんだろうけど、
428からの地続きとして見ると微妙な気持ちになる。

鈴音編

号泣した。
泣ける短編として完璧な出来だった。

風間拓也の生き様が格好良すぎる。
拓也の残した手紙を読むシーンでは涙が止まらなかった。
428のプレイ中で最も感動した話であった。

エコ吉編

【シナリオの出来】
微妙。
隠しシナリオなのでお遊び的要素が強い物語。
ぶっちゃけ読まなくても良いレベル。

【メイキング映像】
シナリオはぱっとしないが、
エコ吉編のエンディングでメイキング映像が流れるのでそれは見たほうがよい。

428というゲームが作られる過程を見せられることで、
「ああ、428を完全にプレイし終わったんだな……」
という寂寥感と達成感と謎の感動を味わえる。

キャラクターごとの感想

加納 慎也

熱血刑事。
直情型だけどめっちゃ良い奴。
素直に感情移入できるいいキャラだった。
先輩である建野との関係性がよかった。

加納は建野の言葉をデカの心得として心に刻んでいるし、
建野は加納の憧れに恥じない刑事であろうとしていた。
こういう描写すごい好き。

遠藤 亜智

格好と雰囲気からチンピラかと思ったら全然そんなことなかった。
渋谷を愛するナイスガイだった。

【遠藤 亜智の名シーン】
亜智にとっての父親である「遠藤大介」を泣きながら説得するシーンで感動した。
亜智「俺たちの鈴音はそんなことしても喜ばない」
という言葉で大介がひとみを殺すのを諦める。
鈴音が喜ばないことをわかっていても娘を助けたい大介の気持ちが伝わってきて辛かった。

このシーンの前に亜智が大介を尊敬している描写があり、
良い親子関係であることが伝わってくる。
それもあって完全に涙腺が崩壊した。

遠藤 鈴音

本当は不安なのに、周りに笑顔を振りまくめっちゃいい子。
希少な血液型のせいで臓器移植が実質不可能であることを知っても周りに当たり散らしたりしない。
風間拓也の頑張りによって、生存が確定した。
幸せになってもらいたいキャラ。

風間 拓也

作中で下手したら一番かっこいい男。

鈴音と同じ希少な血液型(ボンベイ型)
15歳にならないと臓器提供の意思表示ができず、
自分が死んでも鈴音に心臓を提供できないので、
何が何でも15歳まで生きることを決意。
死にそうになりながらも15歳まで生きぬいて、臓器提供の意思を示して死亡。
恋する女に心臓を提供した。

拓也の手紙を読むシーンは作中最強の泣き所。
涙が枯れ果てるかと思った。

遠藤 大介

遠藤 亜智と遠藤 鈴音の父親。
建野 京三とは幼なじみ。
麻薬中毒者の男に妻を殺されている。

娘を助けるためにボンベイ型の血液型を持つ大沢ひとみを臓器ブローカーに差し出そうと画策していた。
最後は亜智の説得で取りやめる。

妻に続いて娘を失いたくないという気持ちは共感できるだけに辛かった。
シナリオにここまで関わるキャラだと思っていなかったので正直驚いた。

御法川 実

敏腕フリーライター。

最初はこのキャラけっこううざいなぁ、と思っていた。
しかし、読み進めていくうちにいつの間にか好きになっていた。
独特のノリが妙に好ましく思えてしまう。

喫茶店のウエイトレスとのやり取りが実に笑える。

大沢 賢治

ウイルス研究者にして駄目な父親。

仕事にかまけてばかりだったせいで手痛い思いをする人。
あまりに結婚に向いていないタイプ。
自分が結婚に向いていなかったことに気づけなかったのだろうか?

終盤は娘のために奔走する良きパパになっている。

大沢 マリア

僕はけっこう早めの段階でタマの中身が大沢マリアだと推理していた。
きっと最終局面で正体が判明するのだろう、と思っていたら中盤であっさり判明してしまった。
作中の大きな謎の一つとして終盤まで引っ張ると思っていたので驚愕した。

演じている女優さんがお綺麗。

大沢 ひとみ

アルファルドからは血液と命を狙われ、
遠藤大介からは心臓を狙われ、
渋谷を駆けずり回る羽目になる可哀想な女の子。

姉に劣等感を持っている設定だが、
ミスコンで優勝できる美貌を持っているのに劣等感って……。
と正直思った。

性格もめっちゃいい子だし、さぞモテるだろうに。

建野 京三

序盤はひとみ達を襲う謎の男。
中盤からは苦悩多き中年刑事。
終盤は加納からの憧れに応えるため巨悪に挑む刑事。

遠藤大介との関係が複雑すぎて重い。
自分の失態で好きだった女が殺されるという展開は辛すぎる。

アルファルドと対峙する場面で、
加納のことを思い出しトラウマを乗り越えて拳銃を構える姿が最高に格好良かった。

ジャック

想像以上に情に厚いCIA構成員。
作中でかっこいいシーンが多い男。

【ジャックの良いセリフ】
ジャック「お前達みたいな馬鹿ばっかりなら日本人を好きになってしまう」
ジャック「加納全てを疑え、でないと命を落とす」


カナンが偽物であることにジャックが気づけなかったら、
アルファルドの計画が成功していた。
そう考えるとジャックはMVPと言っても過言ではない。

アルファルド

カナンになりすまし、どうどうと姿をさらしていた悪役。
僕は全然気づけなかった。
完全に味方だと思っていたからびっくりした。

研究所前で建野と対峙し、建野のトラウマを言葉でえぐる姿が毒々しくて印象に残っている。

カナン 追記

実写では登場しない。

カナン編で性格や生い立ちが判明する。
最後、空港でアルファルドと銃口を向けあうが、その後どうなったか気になる。

カナンのその後を描いたアニメがあるらしい。
そこでもアルファルドと戦うみたいなので、空港では決着つかなかったっぽい?
アニメは時系列的にゲームの二年後の話らしい。
めっちゃ気になるのでそのうち見る。
→ 見たので感想を書いた。正直428の続編としてはいまいちだった。

個人的にお気に入りのシーン

・遠藤 亜智が父親を説得するシーン。泣いた。
・風間 拓也の生き様にして死に様。涙が枯れるレベルで泣いた。
・建野がトラウマを乗り越えてアルファルドに銃を向けるシーン。個人的におっさんが覚醒するシーンは大好物。

まとめ

序盤さえ乗り切って、16時までたどり着いてしまえばもう止まらない。
後半の盛り上がりが素晴らしいゲームだった。

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2022年8月7日レビュー428,ゲーム

Posted by raishin