かまいたちの夜×3(トリプル) 感想
かまいたちの夜×3(トリプル)がNintendo Switch、PlayStation®4、PC(Steam)に移植された。
僕はかまいたちの夜1・2はプレイしたが、
かまいたちの夜3は未プレイだったので、
ちゃんと完結編である3をやらねば!
と思いPS4版を購入した。
10何年ぶりの「かまいたちの夜」の感想を書いていく。
搭載シナリオについて
かまいたちの夜1とかまいたちの夜2のメインストーリー。
かまいたちの夜3の前編が搭載されている。
かまいたちの夜1と2のサブシナリオが搭載されていないのが悲しい。
現在主流のハードでかまいたちの夜1・2はプレイできないので、
サブシナリオをプレイするにはPS2という骨董品が必要になる。
個人的に2のサイキック編と底蟲村編がまたプレイできると楽しみにしていた。
しかしサブシナリオがプレイできないと知り、
心底がっかりした。
30周年という節目の年なんだから1と2もフルシナリオ搭載すべきでしょ……。
ペンション「シュプール」編の感想
BGMの感想
昔プレイしたPS版の「かまいたちの夜 特別編」の音源とは異なると思う。
個人的には「かまいたちの夜 特別編」の音源の方が好き。
シナリオの感想
昔、何度もプレイしたので犯人の名前もしっかり覚えていた。
適当に選択肢を選びながらプレイすると
真里にストックで刺殺されるエンドにたどり着いた。
子供の頃プレイした時に最初にたどり着いたエンドも「ストック刺殺」エンドだったことを思い出した。
かまいたちの夜というコンテンツの原点だけあって完成度が高い。
久しぶりのかまいたちの夜ワールドを堪能できて満足した。
監獄島のわらべ唄編の感想
メインシナリオの感想
かまいたちの夜1はシナリオを覚えていたが、
かまいたちの夜2はメインシナリオを完全に忘却していた。
なので初見プレイのような気持ちで楽しめた。
当時、かまいたちの夜1を「ゲーム上の出来事」として描写して、
けっこう非難が大きかった記憶がある。
メインシナリオである「わらべ唄編」は普通に面白かった。
小林夫妻の最期のシーンはセンチメンタルな気持ちになった。
サブシナリオが搭載されていない悲しみ
個人的にかまいたちの夜2はサブシナリオが好きだった。
サイキック編のいきなり始まる超能力バトルにワクワクした。
底蟲村編のラストで真里が弾けとんで虫になるシーンはいまだにトラウマとして脳に刻まれている。
その秀逸なサブシナリオが今作には搭載されていない。
実に残念……。
三日月島事件の真相編の感想
システムが古くて悪い
未読スキップ存在しない
致命的に駄目な点として「未読スキップ」が存在しないことを挙げたい。
かまいたちの夜3は主人公が四人いる関係で、
同じ出来事を違う視点で見ることが多い。
もちろん主観が異なるので地の文は各キャラごとによって異なるが、
展開・セリフは全く同じなので、
正直何度も見ていると飽きる。
普通のシナリオゲームなら未読の文章でもスキップできる「未読スキップ」が搭載されているのだが、
本作には搭載されていない。
一行一行ボタンを押して読み進める必要があり、
めちゃくちゃダルい。
演出スキップが存在しない
既読の演出でもスキップができないことが多い。
「12時の鐘が鳴る演出」や「推理の際の想起演出」等。
スキップできないので、
既に見た演出を再度ぼーっと見る必要がある。
タイパを重視する現代人としてとても辛い時間だった。
バッドエンド集めという苦行
すべてのエンディングを見ると、
金の栞が手に入り、
真相エンディングに事件後のエピローグが追加される。
これを見るためのバッドエンド集めが地獄。
下記に不満点をまとめた。
・未読スキップがない。
・演出スキップがない。
・同じ出来事を違うキャラで見なきゃいけない。重複するセリフを延々と読む羽目になる。
・バッドエンドもあっさり殺されるものばかりで単調。
ぶっちゃけyoutubeで追加されるエピローグを見たほうが楽。
本編の感想
また「死んだと思っていた人物が生きている」パターン
かまいたちの夜2ではキヨ(今日子)が死を偽装していた。
かまいたちの夜3では前作で死んだと思った村上が生きており犯人であった。
またこのパターンを使うのか……と思って残念だった。
非現実的な香山編
賛否両論分かれそうな香山編。
勢いだけでまとめた感があるシナリオ、個人的には嫌いじゃない。
村上の動機がしょぼい
伊右衛門の財宝を一人占めするために「かまいたちの夜2」では今日子を唆し、
復讐の手助けをした。
「かまいたちの夜3」では実際に伊右衛門の財宝を手に入れるために殺人に手を染める。
「単純な金欲しさ」というしょぼい動機にがっかりした。
伊右衛門の呪いという要素いる?
伊右衛門の呪いの影響で、
村上や今日子は「人を殺しやすい状態」になっていたと語られている。
犯人の動機を薄めるようなこの設定……いらない気がする。
北野啓子という狂いしサイコデブ女
可奈子と再度レズカップルになるために、
集まった皆(可奈子以外)を皆殺しにする狂ったデブ女。
しかも伊右衛門が除霊された後でも「皆殺し」を完遂する。
伊右衛門の呪いがなくとも「皆殺し」をする動機があることが証明されている。
彼女の主観ではけっこう毒を吐いており、
性格はぶっちゃけ良くない。
普通に裁かれてほしかったキャラ。
エンディングでは楽しくグルメライターをやっており、
正直もやっとする。
透と真里がゴールインする
金の栞ゲット後の追加エピローグで透と真里が結婚することが明かされる。
ずっと真里を追い続けた透の念願が叶って嬉しかった。
かまいたちの夜ファンとしてこのエピローグは見ておかねばならない。
サブシナリオが存在しない
かまいたちの夜1や2にはメインシナリオとは様相が異なるサブシナリオが存在した。
3では特別編というちょっとHなシナリオ以外、サブシナリオが存在しない。
かまいたちの夜といえば「サブシナリオ」が面白いという印象があっただけに肩透かしを食らった。
総合評価:凡作
PS2の「かまいたちの夜×3」を現在のハードに移植しただけの作品。
かまいたちの夜30周年の記念作なのにかまいたちの夜1・2のサブシナリオが搭載されていないのが残念すぎる。
個人的に期待していただけに、裏切られた感がある。
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